アサーション 相手も自分も大切に
- Kaori Higashide
- 2023年8月31日
- 読了時間: 3分
「対人関係がうまくいかない」という辛さで、受診される方はたくさんいます。アサーション、とかアサーティブコミュニケーションといわれる、コミュニケーションのやり方や考え方があります。
自分の気持ちや考えを相手に知ってもらうというのは、大切な自己主張です。自分では、「普通に」していると思っていても、程よい自己主張というのは、案外難しいものです。
コミュニケーションのタイプ
1.受け身的タイプ(オロロ)
・上司に仕事を頼まれると、無理でも断れない
・家族が怒ったりすると黙って耐える
・相手に落ち度があっても、波風立てないようにとりあえず謝る
真面目で優しい人にありがちですが、相手の都合に合わせてばかりだと、不快な思いが積もり、自分の心身の調子をくずしたり、相手ともうまくいかなくなるかもしれません。背景には、自信のなさなどがあります。
2.攻撃的タイプ(ドッカン)
・列の割り込みなどルール違反の人にはきつい言い方で注意する
・家事をしない家族を責めて怒鳴り散らす
・ミスを叱る上司に、そっちの指示が悪いせいだと言い返す
このタイプの人は、自分のコミュニケーションの問題に気がつかず、「相手が悪い」と考えがちです。感情的になることで、自分も相手も不快になります。背景としては、こうすべきといった思い込みが強かったり、他者への信頼感の持ちにくさから、相手の意図を邪推しがちだったりします。
3.作為的タイプ(ネッチー)
・レストランで出てくるのが遅かったので、ネットに悪口を色々と書き込んだ
・定時であがる後輩に、暇な人はいいねえと嫌味を言った
・家族が片付けをしないので、不機嫌に黙り込んで話かけられても無視をした
意見や不満を相手にぶつけないけれど、態度で察してもらおうと不機嫌になったり、嫌味を言ったりするタイプです。
4.アサーティブ
・上司に無理な仕事を頼まれた時に、無理な理由を伝えて、できないことを謝り、了解してもらった
・列の割り込みをした人に、「お急ぎかもしれませんが、みなさん並んでいますので、後ろに回ってもらえませんか」と丁寧な口調で伝えた
・片付けをしない家族に、「このままだと私も困っているので、今度片付けについて話し合いましょう」と提案した
アサーションは、自分も相手も大切にしたコミュニケーションです。冷静に、相手の意見をきちんと聞き、自分の意見も伝えます。その時に、率直に、正直に話します。意見や見解が相違することももちろんありますが、根気よくゆずったりゆずられたりしながら、納得のいく結論を出します。お互いが、自分も相手も大切にできた時は、清々しい気持ちになります。
そんな綺麗事で世の中はいかない!と感じた人もいるかもしれません。そうですね、いろんな人がいて、むずかしいなと私も思います。
でも、もし、人とうまくいかないなと思っている場合に、まずは、自分の中での「常識」をちょっとうたがってみて、自分のタイプはこれだなあと知ることで、アサーティブなコミュニケーションにちょこっと変えてみてください。相手に変わって欲しいと期待しても難しいですが、自分が何かを変えることで、相手との関係性が変わってくることがあります。
